こんにちは。ジギングナビ、運営者の「ジン」です。
外房ジギングでベイトタックルって、ちょっとマニアックに聞こえるかもしれませんね。
外房といえば、ヒラマサ狙いのスピニングタックルでのキャスティングやジギングが主流です。
でも、あえて「外房ジギング ベイトタックル」と検索しているあなたは、スピニングにはないメリット、例えばフォール中のアタリをダイレクトに感じたいとか、重いジグをもっと楽に操作したいとか、そんな深いニーズをお持ちなんじゃないでしょうか。
ベイトタックルって、入門者にとってはバックラッシュという大きな壁がありますし、外房特有のドテラ流しでどう使えばいいのか、ロッドやリールの選び方、PEラインとリーダーのセッティングも悩みどころですよね。
スピニングとの使い分けや、実際のインプレも気になるところだと思います。
この記事では、そんなあなたの疑問を解消するために、外房のジギングでベイトタックルを導入する際の選定術から実釣テクニックまで、私が調べたことや感じたことを分かりやすくまとめてみました。
ぜひ、あなたの「次の一手」の参考にしてみてください。
この記事のポイント
- 外房でベイトタックルを使うメリットとデメリット
- ロッドやリールなど最適なタックルセッティング
- 最大の難関「バックラッシュ」の具体的な対策と直し方
- ドテラ流しでの操作術とスピニングとの使い分け
外房ジギングのベイトタックル選定術

まずは「道具選び」からですね。外房のヒラマサや青物を相手にするベイトタックルは、バス釣りや近海のライトジギングとは全く別物です。
パワー、糸巻量、操作性。この3つのバランスがめちゃくちゃ重要になってきます。
ここでは、ロッドからラインシステムまで、どういう基準で選べばいいのかを詳しく見ていきましょう。
スピニングにはないメリット
そもそも、なぜスピニングが主流の外房で、あえてベイトタックルを選ぶのか。
最大の理由は、「フォール中のアタリが格段に取りやすい」これに尽きると思います。
スピニングだと、ラインがスプールからパラパラと出ていくのを指で押さえるだけですが、ベイトリールはスプールに親指を乗せて「サミング」しながらジグを落としますよね。
このサミングがキモで、ラインに常に軽いテンションがかかっているため、ジグの落下が止まったり、フッと軽くなったりする「フォールバイト」を、指先でダイレクトに感じ取れるんです。
他にも、こんなメリットがあります。
ベイトタックルの主なメリット
- パワーファイト:リールの構造上、巻き上げトルクが非常に強いです。ヒラマサやカンパチがヒットした後、根から一気に引きはがす「ゴリ巻き」ファイトに向いています。
- 操作性:クラッチ一つでフォールと巻き上げを瞬時に切り替えられます。底取り(着底の確認)が圧倒的に速く、正確なレンジ(水深)を効率よく攻め続けられるのも強みですね。
- 重いジグが楽:パーミング(リールを手のひらで包み込む持ち方)できるため、150gや200gといった重いジグを一日しゃくり続けても、スピニングより手首への負担が少ないと感じる人が多いです。
もちろん、キャストが必要な場面ではスピニングに分がありますし、バックラッシュという最大のデメリットもあります。ですが、これらを理解した上で導入する価値は十分にあると思いますよ。
外房ジギング用ベイトロッドの選び方
ロッド選びで重要なのは、「長さ」「硬さ(パワー)」「適合ジグウェイト」の3点です。
長さ:6フィート(約1.8m)前後
ジギングロッドのスタンダードな長さですね。この長さが、ジグの操作性とファイト時の取り回しのバランスが一番良いとされています。
硬さ(パワー):4番パワーが基準
外房のヒラマサジギングでは、スピニングでも「4番パワー」(例:S60-4など)が最初の一本として推奨されることが多いです。カンパチ狙いでも4パワー以上が求められるため、ベイトロッドでもこの「4番」を基準に考えると間違いないかなと思います。
適合ジグウェイト:MAX 200g〜210g
外房でメインに使うジグは100g〜200gの範囲が中心です。この重量帯を快適にしゃくれる、MAX 200g〜210g程度のスペックが、最も汎用性が高いですね。
注意点:スロージギング用との違い
ここで話しているのは、あくまでワンピッチジャークなどで青物を狙う「ジギングロッド」のことです。同じベイトタックルでも、スローピッチジャーク専用ロッドは、ロッドの反発力でジグを飛ばすことに特化しており、調子(曲がり方)が全く異なります。混同しないように注意が必要ですね。
ベイトリール選定。PEと糸巻量
ベイトタックルの心臓部、リール選びです。ここで最も、絶対に外してはいけない最重要項目があります。
それは「ラインキャパシティ(糸巻量)」です。
外房のヒラマサジギングでは、PEラインの3号または4号が標準です。
そして、このPE3号を最低でも300m以上巻けること。これが外房用ベイトリールを選ぶ絶対条件になります。
なぜ300m以上必要なのか?
理由は外房の「ドテラ流し」という釣法にあります。ドテラ流しは船を風と潮に任せて流していくため、ラインが真下ではなく斜めに出ていきます。
水深100mのポイントでも、ラインが150m、200mと出ていくのは普通のことです。
さらに、高切れ(ラインが途中で切れる)トラブルや、大型魚のラン(走り)に備えるためにも、300mは最低ラインなんですね。
この条件を満たすリールとなると、自然と大型のモデルになります。
番手でいうと、シマノなら2000番〜3000番クラス、ダイワなら300番クラスといった、ジギング専用の大型ベイトリールが選択肢になります。
ギア比については、回収が速い「ハイギア(HG)」と、巻き上げが軽い「パワーギア(PG/ローギア)」がありますが、好みで選んでOKです。
ただ、ベイトジギング入門者であれば、重いジグの操作が楽で、ファイト中も力負けしにくい「パワーギア」モデルがおすすめかもしれませんね。
推奨ジグの重さと形状
ジグの重さは、先ほども触れた通り100g〜200gが中心になります。
その日の水深、潮の速さ、船が流れる速度によって最適な重さが変わってきます。軽いジグでは底が取れなかったり、ラインが斜めになりすぎたり(ドテラ流しでは不利になることも)します。
最初は150g前後を基準に、いくつか重さのバリエーション(例:120g, 150g, 180g, 200g)を揃えておくと安心です。形状は、ヒラマサ狙いで多用される「セミロングジグ」や、スタンダードな「ショートジグ」が良いですね。
PEラインとリーダーの最適バランス
タックルの最後を締めくくるラインシステムです。ここも外房スタンダードに合わせておけば問題ありません。
- メインライン(PE):
- 太さ: PE 3号〜4号。
- 長さ: 最低300m。できれば400m巻いておくと安心です。
- 種類: 根ズレに強い8本撚り。水深を把握するため10mごとに色分けされたラインが必須です。
- リーダー:
- 素材: 根ズレに強いフロロカーボン一択です。
- 太さ: 50lb〜80lb(ポンド)。号数でいうと12号〜16号あたりが基準になります。
- 長さ: 2〜3ヒロ(約3m〜4.5m)が標準です。
外房ジギング ベイトタックルの実釣テク

さて、道具が揃ったらいよいよ実釣です。
ここでは、ベイトタックル最大の壁である「バックラッシュ」の完全対策と、外房特有の「ドテラ流し」でどう操作するか、スピニングとの使い分けまで、実践的なテクニックを見ていきましょう。
バックラッシュしない方法と直し方
ベイトタックル入門者が必ず通る道、それが「バックラッシュ」。
ジギングの場合、キャスト(投げる)時よりも、ジグを海底に落とす「フォール中」と「着底の瞬間」に最も発生しやすいんです。
スプールの回転がラインの放出スピードを上回ると、スプール上でラインがフワッと浮き上がって絡まる。これがメカニズムです。
これを防ぐ方法は2つしかありません。
バックラッシュ予防の2大テクニック
- メカニカルブレーキの調整
リールについているネジ(メカニカルブレーキ)を調整します。クラッチを切った時に、ジグの重さで「スルスル」と落ちていく程度に設定するのが基本です。ジグの重さを変えるたびに調整するのが理想ですね。 - 最重要技術「サミング」
これが一番重要です。クラッチを切ったら、スプールに親指の腹を軽く当てて、回転にブレーキをかけながらラインを放出させます。そしてジグが着底(ラインが止まる)した瞬間に、親指でスプールの回転をピタッと止める! これができれば、バックラッシュは100%防げます。
そして、この「サミング」こそが、先ほどメリットで挙げた「フォールバイトの感知」そのものなんです。
バックラッシュを防ぐための動作が、そのままベイトジギングの最大の武器になる。これが面白いところですね。
万が一バックラッシュしてしまっても、慌てないでください。力ずくで引っ張るのが一番ダメです。
バックラッシュの現場での直し方
- まず、クラッチを切って、軽くサミングしながら優しくラインを引き出します。(軽度ならこれで直ることも)
- 絡まってラインが出なくなったら、スプールを親指で強く押さえつけます。
- スプールを強く押さえたまま、ハンドルを1〜2回転させます。(スプールに食い込んだラインを引き出すイメージ)
- 再度、優しくラインを引き出します。
- 直るまで 2〜4 を繰り返します。大抵はこれで修復可能です。
ドテラ流しでのジグ操作術
外房のジギング船は「ドテラ流し」が基本です。これは、船のエンジンを切って、風と潮に任せて船を流していく釣り方。
そのため、ラインが真下に落ちず、船から払い出される「斜めの釣り」になります。
このドテラ流しとベイトタックルの相性は、実はかなり良いんです。
ラインが斜めに出ていく「払い潮」の状況では、ラインの放出がスムーズなベイトリールの方が、スピニングより底取りしやすいと感じることも多いです。
操作の基本は「ワンピッチジャーク」。
ハンドル1回転につき1回ロッドをしゃくり上げる、ジギングの基本動作です。ベイトタックルはパーミング(手でリールを握り込む)できるので、このリズミカルな動作がやりやすいのも特徴ですね。
ドテラ流しについて、もっと詳しく知りたい場合は、ドテラ流しジギングの基本と攻略法を解説した記事などを参考にしてみてください。
スロージギングの記事であっても、ドテラ流しの基本は同じですよ。
スピニングとの使い分け戦略
じゃあ、スピニングは要らないのかというと、全くそんなことはありません。
外房ジギングの基本は、やはりスピニングタックルです。
特に、ヒラマサが水面近くの小魚を追い回している時(ナブラ撃ち)や、広くキャストして探る「キャスティング」が必要な場面では、ベイトタックルでは太刀打ちできません。
私なりの使い分けはこんな感じです。
- スピニング:メインタックル。キャスティングもジギングもこなす。広範囲を手早く探りたい時、浅いレンジを攻めたい時。
- ベイトタックル:サブタックル(あるいはジギング専用)。ジギングに特化したい時。重いジグを楽に操作したい時。フォールのアタリを集中して取りたい時。深場(100m以上)を攻める時。
ベイトタックルは、ジギングという釣りをより深く、戦略的に楽しむための「専門タックル」と位置づけるのが良いかなと思います。
入門者に最適のタックル構成
もし、あなたが「これから外房ジギングを始めたい」という段階なら、最初の1本は、キャスティングにも使える「スピニングタックル」(4号パワーのロッドに、シマノ8000番/ダイワ4500番クラスのリール)を強くおすすめします。
その上で、「ジギングがもっと上手くなりたい」「フォールのアタリを取りたい」と感じた時に、「2本目のタックル」としてベイトタックルを導入するのが、最もスムーズなステップアップだと思いますね。
実釣インプレ。セッティング例
私自身、外房でベイトタックルを使ってみて感じるのは、やはり「操作のダイレクト感」と「巻き上げの楽さ」です。
特に、重いジグ(180gとか)をドテラ流しで200m近くラインを出した状態から回収する時の「巻き上げトルク」は、一度体験すると戻れない快適さがあります。
もちろん、最初のうちはバックラッシュに悩まされました。
でも、サミングがしっかりできるようになると、着底の瞬間や、フォール中の「モゾッ」とした違和感(アタリ)が鮮明に分かるようになり、釣りが一気に楽しくなりました。
もし私が今、外房用のベイトタックルを1セット組むなら、こんな感じにします。
| コンポーネント | スペック例 | ポイント |
|---|---|---|
| ロッド | 6ft前後 / 4番パワー / ジグMAX 200g | 外房スタンダード。強すぎず弱すぎず。 |
| リール | PE3号 300m以上巻けるモデル / パワーギア | 最重要。糸巻量は絶対に妥協しない。 |
| ライン | PE 3号 300m (8本撚り) | 基本の太さ。400m巻ければベスト。 |
| リーダー | フロロカーボン 60lb (約16号) | 根ズレ対策の標準的な太さですね。 |
あくまでこれは一例です。最終的には、釣りをする船の船長に確認するのが一番確実ですよ。
外房ジギング ベイトタックルの総括
外房ジギングにおけるベイトタックルは、決して万人向けではないかもしれませんが、スピニングタックルにはない明確なメリットを持つ、非常に戦略的な選択肢です。
最大の難関であるバックラッシュも、正しい「サミング」の技術さえマスターしてしまえば、フォールバイトを感知するという最強の武器に変わります。
この記事を参考に、ぜひあなたもベイトタックルという新たな扉を開けて、外房のヒラマサゲームをさらに深く楽しんでみてはいかがでしょうか。
それでは、良い釣りを! ジギングナビのジンでした。