こんにちは。ジギングナビ、運営者の「ジン」です。
オフショアの釣り、特にジギングやキャスティングで大型の青物を狙うようになると、ロッドやリールと同じくらい重要になってくるのがランディングツールです。
ネットで「オフショア フィッシュグリップ プライヤー おすすめ」と検索しても、安いセット商品から数万円する最強モデルまで出てきて、正直どれを選べばいいのか迷ってしまいますよね。
現場で「リングが開かない」「グリップから魚が落ちた」なんてトラブルは絶対に避けたいところです。
私自身もコスパを求めて失敗したり、逆にハイエンドモデルの耐久性に感動したりと、いろいろな経験をしてきました。
今回はそんな経験も踏まえて、後悔しない選び方や使い方のコツについてお話しします。
この記事のポイント
- スプリットリングのサイズに合わせた適切なプライヤー選び
- 大型魚の強烈な暴れにも耐えうるグリップの剛性と素材
- 長く愛用するための錆びないメンテナンス方法と落下防止策
- コスパ重視のセット商品とハイエンドモデルの決定的な違い
オフショアのフィッシュグリップとプライヤーのおすすめ選定法
まずは、数ある製品の中から自分に合ったものを選ぶための基準について解説します。
特にオフショアでは、対象魚のサイズや使用するリングの大きさによって、選ぶべき道具がガラリと変わります。
「なんとなく良さそう」で選ぶと、現場で全く役に立たないこともあるので注意が必要です。
スプリットリングのサイズと適合
オフショアフィッシングでプライヤーに求められる最も重要な機能は、間違いなくスプリットリングオープナーの性能です。
ターゲットがブリやヒラマサ、あるいはマグロといった大型魚になればなるほど、ルアーとフックを接続するスプリットリングのサイズも巨大化します。
一般的に、近海のジギングやキャスティングでは#4〜#6、大型狙いなら#7〜#10といったサイズを使いますよね。
ここで問題になるのが、プライヤーの先端形状とのミスマッチです。先端が細すぎるライトゲーム用のプライヤーで#6以上のリングを開こうとすると、爪が滑って危険なだけでなく、リングを過剰に広げてしまい、「開きっぱなし」にして強度を落としてしまう原因になります。
- #2〜#3（シーバス・ライトジギング）： 汎用的な中型プライヤーでOK。
- #4〜#6（ジギング・ロックショア）： 先端に厚みのある剛性重視のモデル。
- #7以上（マグロ・GT）： ビッグゲーム専用設計の極厚先端モデル。
逆に、大型リング対応のゴツいプライヤーで小型のリングを開こうとしても、爪が入らず作業になりません。
自分のメインフィールドで使うリングサイズにドンピシャで合うものを選ぶのが、快適な釣りの第一歩ですよ。
チタンやステンレスなどの素材
道具選びで次に悩むのが「素材」ですよね。
主にステンレス、アルミ、チタンの3種類がありますが、それぞれに明確なメリットとデメリットがあります。
まずステンレス製ですが、これはとにかく「剛性」が高いです。
硬いので、太いリングをねじ開けるパワーがあります。
ただ、どうしても重くなるのと、メンテナンスを怠ると錆びやすいのが難点ですね。
とはいえ、信頼性は抜群です。
次にアルミ製。最近の主流ですね。
とにかく軽いです。一日中腰にぶら下げていても疲れません。
ただし、アルミ自体は柔らかいので、先端の爪やカッター部分にはステンレスやタングステンなどの別パーツが組み込まれています。
デザイン性が高く、カラーバリエーションも豊富なので選ぶ楽しさがあります。
そして最後がチタン製。
これはもう「最強」と言っていいでしょう。
海水に浸けても錆びませんし、ステンレス並みに強くて、アルミのように軽い。
まさに理想的な素材ですが、ネックなのは価格です。
数万円クラスが当たり前なので、一生モノとして投資できるかどうかが分かれ道になります。
最強の剛性を持つモデルの条件
「デカい魚を釣りたいなら、道具もタフでなければならない」というのは私の持論ですが、特にプライヤーの剛性は作業効率に直結します。
最強の剛性を求めるなら、以下のポイントをチェックしてみてください。
一つはボディの厚みとねじれ耐性です。大型のリングを開く時、手首をひねるような力が加わります。
この時、安いプライヤーだと先端が「グニッ」とねじれて力が逃げてしまうんです。
がまかつの「スプリットリングプライヤーHD」のように、先端の厚みが3mm以上あるようなモデルは、このねじれ剛性が非常に高く、軽い力でパカッとリングが開きます。
もう一つはカシメ（支点）の精度です。ここがガタついていると、PEラインをカットする時に刃が噛み合わず、スパッと切れません。
新品の状態からガタつきがなく、スムーズに動く精度の高いものを選ぶことが、結果として「最強」への近道になります。
安い製品における耐久性の課題
「安くても使えるものはある？」と聞かれれば、「あります」と答えますが、条件付きです。
最近ではウミボウズなどのコスパに優れたアルミ製フィッシュグリップやプライヤーが人気ですよね。
これらは普通に使う分には十分な機能を持っています。
ただ、安い製品にはどうしても「見えない部分のコストダウン」があります。
よくあるのが、フィッシュグリップ内部のバネや、プライヤーのジョイント部分に使われるパーツの防錆性能が低いこと。
外側のアルミボディはピカピカでも、内部が錆びて動かなくなるパターンが多いんです。
100円ショップや極端に安価なノーブランド品のフィッシュグリップを、青物狙いで使うのは避けたほうが無難です。
魚が暴れた瞬間にボディが歪んだり、爪が開いて魚を落としたりするリスクがあります。
自分の安全のためにも、ある程度の剛性が保証されている釣具メーカー製を選びましょう。
人気なダイワやシマノの評価
結局のところ、大手メーカーの製品はどうなのか気になりますよね。
結論から言うと、ダイワやシマノの製品は「ハズレが極めて少ない」という安心感があります。
例えばダイワの「アルミプライヤー 200H ロック」などは、軽さと剛性のバランスが絶妙で、ロック機構などの使い勝手も考え抜かれています。
シマノの「パワープライヤー」も、リングを掴む先端形状が鉤爪状になっていて、滑りにくい工夫がされています。
これら大手メーカー品は、テストが繰り返されているため、グリップの握りやすさや、ラインカッターの切れ味といった基本性能が高いレベルで安定しています。
「迷ったら大手を選んでおく」というのは、オフショアの道具選びにおいては決して間違った選択ではありません。
おすすめなオフショアのフィッシュグリップとプライヤー活用術
良い道具を手に入れたら、次はそれを現場でどう活かすかです。
ここでは、安全に魚をランディングするためのテクニックや、道具を長持ちさせるメンテナンス術について深掘りしていきます。
大型魚を逃さないホールド力
フィッシュグリップの役割は、単に魚を掴むことだけではありません。
「暴れる魚を絶対に離さないこと」が求められます。ここで重要になるのが、グリップの「クロー（爪）の形状と深さ」です。
クローの懐（ふところ）が浅いモデルだと、分厚い唇を持つ大型魚を掴んだ時、皮一枚しか挟めずに身切れして落ちてしまうことがあります。
しっかりと口の奥まで入り込み、ガッチリとホールドできる「懐の深い」タイプを選びましょう。
また、ハイエンドモデルの代名詞であるスタジオオーシャンマークの「オーシャングリップ」などは、魚の重みで自動的にロックが掛かる機構や、グリップのハンドル部分が回転する機能を持っています。
これにより、魚がデスロールのように回転してもグリップが追従し、口切れやアングラーの手首への負担を防いでくれるんです。この「ホールド力」への信頼感こそが、高価でも選ばれる理由ですね。
安全なランディングの使い方のコツ
いざ魚が上がってきた時、焦ってグリップを突っ込むのは禁物です。
特にオフショアでは船が揺れていますし、フックが暴れて手に刺さる事故も多いので、慎重さが求められます。
- まずはネットで確実に魚を掬う（ランディングする）。
- 魚がネットの中で落ち着くのを待つか、船上に上げてからグリップを使う。
- グリップを入れる時は、魚の下顎を狙って、奥までしっかり差し込んでからトリガーを引く。
- 持ち上げる際は、魚の体を支えるようにして、顎一点に負荷がかかりすぎないように配慮する。
直接グリップでランディングしようとすると、魚が反転した拍子にルアーが飛んできて危険です。
ネットインしてから、フックを外す際や写真を撮る際の補助ツールとしてグリップを使うのが、最も安全でスマートな使い方かなと思います。
錆びないためのメンテナンス
オフショアで使う以上、塩害からは逃れられません。
「防錆」と書いてあっても、ノーメンテなら絶対に錆びます。特にプライヤーのカシメ部分や、フィッシュグリップのトリガー内部は塩が溜まりやすい要注意ポイントです。
基本は釣行後の「お湯洗い」です。
水よりもお湯の方が塩分が溶け出しやすいので、可動部を動かしながらしっかりと洗います。そして乾燥させた後は、必ず注油しましょう。
最近話題の「オーシャンバリアー」のような気化性防錆剤をタックルボックスに入れておくのも効果的です。
目に見えないガスが道具をコーティングして、手の届かない内部の錆を防いでくれます。
また、「塩抜きサポートスプレー」のような専用ケミカルを使って、固着した塩を化学的に分解するのもおすすめですよ。
落下防止コードの強度と装着
「高かったオーシャングリップを海に落とした…」なんて話、聞くだけでゾッとしますよね。
でも、実際に船の上ではよくある事故なんです。だからこそ、落下防止コード（ランヤード）は命綱です。
ここでケチってはいけません。
100均のスパイラルコードなどは、中の芯材が弱く、重いグリップをぶら下げたり、何かに引っかかったりした瞬間に「ブチッ」と切れることがあります。
アピアの「タフネススパイラルコード」のように、繊維強化された高強度のコードを選びましょう。
装着する場所も重要です。
ライフジャケットのD管に付けるのが基本ですが、コードが短すぎると作業しづらいし、長すぎると邪魔になります。
自分の体の動きを邪魔しない、適切な長さと伸縮性のあるものを選ぶことが、ストレスフリーな釣りにつながります。
セット商品のメリットと注意点
Amazonや楽天を見ていると、フィッシュグリップとプライヤーがセットで2,000円〜3,000円という激安商品も見かけます。
「これから始めるし、とりあえずこれでいいか」と思う気持ち、すごく分かります。
メリットはもちろん「安さと手軽さ」です。
入門用としては必要十分な機能を持っているものも多いです。
ただ、注意点としては、やはり耐久性と精度です。プライヤーの噛み合わせが悪くてPEが切れない、グリップのバネがすぐに錆びる、といったトラブルは想定しておく必要があります。
サブ機として持っておく、あるいはライトな釣りにはセット商品を使い、ここぞというビッグゲームには信頼できる専用モデルを使う、といった使い分けをするのが賢い付き合い方かもしれません。
オフショアのフィッシュグリップとプライヤーのおすすめ総括
オフショアの釣りにおいて、フィッシュグリップとプライヤーは、魚とアングラーを繋ぐ最後の接点であり、自分自身を守る安全装備でもあります。
選び方のポイントをまとめると、「自分のターゲットに合った剛性とサイズを選ぶこと」、そして「メンテナンスを前提とした素材選び」が重要です。マグロやヒラマサを狙うなら剛性重視のステンレスやハイエンドアルミ、快適さを求めるなら軽量なアルミやチタン、といった具合ですね。
安物買いの銭失いにならないよう、自分のフィッシングスタイルに合った「信頼できる相棒」を見つけてください。
しっかりとした道具を使えば、あの大物が掛かった時の安心感がまるで違いますよ。それでは、良い釣りを！
