ジギングで手首が痛い原因と全対策

こんにちは。ジギングナビ、運営者の「ジン」です。

ジギングって本当にエキサイティングで、あの大物とのファイトを一度味わうとやみつきになりますよね。

ただ、夢中になってシャクっていると、ふと手首に違和感が……。

そう、「ジギング 手首が痛い」という悩みです。

その痛み、もしかして手首の親指側ですか? それとも小指側が痛みますか? 腱鞘炎かな? と思ったり、スロージギングハイピッチジャークを続けた後だと、自分のフォームが悪かったのかと不安になりますよね。

この記事では、そんな手首の痛みについて、私なりに調べた原因や対策をまとめてみました。

サポーターテーピングでの対処法、グローブロッドといったギアの見直し、電動ジギングという選択肢、そして日頃からできる予防のストレッチ筋トレまで、幅広く紹介していきます。

痛みを解消して、また思いっきりジギングを楽しむための一助になれば嬉しいです。

この記事のポイント

  • ジギングで手首が痛む主な3つの原因(腱鞘炎、TFCC損傷など)
  • 痛みを引き起こす可能性のあるフォームやジャークの種類
  • 痛みが出た時の応急処置(テーピングやRICE処置)
  • 手首を守るためのギア選びと予防的なセルフケア

ジギングで手首が痛い原因は?

ジギングで手首が痛い原因は?

手首が痛い」と言っても、痛む場所や症状は様々ですよね。

まずは、ジギングの動作によって引き起こされる可能性のある、代表的な3つの原因について見ていきましょう。

ご自身の症状と照らし合わせてみてください。

腱鞘炎?親指側の痛み

ジギングやエギングを楽しむアングラーにとって、最も身近な悩みの一つが「腱鞘炎(けんしょうえん)」かもしれません。

特に手首の親指側(付け根あたり)が痛む場合、「ドケルバン病」という種類の腱鞘炎が疑われます。

これは、ロッドを握ってシャクる動作や、リーリングといった手首を反復して使う動作によって、親指側の腱(けん)と、それを包む腱鞘(けんしょう)がこすれて炎症を起こす状態です。

私自身、最初は「ちょっとした違和感だな」くらいに軽く見ていたんですが、それを放置すると、次第に日常生活で物を持つのも辛くなることがあるようです。

「親指を握りこんで手首を小指側に曲げると激痛が走る」場合は、可能性が高いと言われています。

小指側が痛いTFCC損傷とは

もし痛むのが親指側ではなく、「手首の小指側」なら、それはTFCC損傷(三角線維軟骨複合体損傷)かもしれません。

TFCCとは、手首の小指側にある軟骨や靭帯の集まりで、手首の関節を安定させたり、衝撃を吸収したりするクッションのような役割をしています。

ジギングでは、硬いロッドの反発力を使ったり、重いジグを操作したり、大型魚とのファイトで手首に強い捻転(ねんてん)ストレスがかかります。

こうした使いすぎ(オーバーユース)によって、TFCCが傷ついてしまうことがあるんです。

症状としては、ドアノブを回すタオルを絞るといった「手首をひねる動作」で痛みが出ます。

TFCC損傷の重症度セルフチェック(目安)

あくまで一般的な目安ですが、重症度は以下のように分けられることがあるようです。

重症度 痛みの特徴 持続時間
軽度 動作時(ドアノブを回すなど)のみ軽い痛み 短時間で治まる
中程度 動作時だけでなく、安静時にも鈍痛がある 比較的長時間
重度 安静時でも強い痛みが常に続く 常に

中程度以上の症状を感じたら、早めに専門医に相談した方が良さそうですね。

手根管症候群のしびれと症状

手根管症候群のしびれと症状

「痛み」というより、指先の「しびれ」が気になる場合は、手根管症候群(しゅこんかんしょうこうぐん)の可能性も考えられます。

これは、手首の手のひら側にある「手根管」というトンネルの中で、正中神経(せいちゅうしんけい)が圧迫されて起こります。

原因の一つに「手を酷使すること」が挙げられており、ジギングのようにロッドやリールを長時間強く握りしめる動作も、リスクになるかもしれません。

最大の特徴は、親指、人差し指、中指、そして薬指の半分(親指側)がしびれることで、「小指には全くしびれがない」点です。

特に夜間や明け方に症状が強くなり、痛みやしびれで目が覚めたり、手を振ると少し楽になったりする(flick sign)のも特徴だそうです。

これらのセルフチェックはあくまで目安です。腱鞘炎と手根管症候群は合併することもあるようですし、首(頸椎)の問題でしびれが出ている可能性もあります。

正確な診断は、必ず整形外科などの医療機関を受診してください。

痛みの原因は手首のフォーム?

ここまで紹介した怪我は、どれも「手首への反復的な負担」が引き金になっています。

では、なぜジギングはそんなに手首に負担がかかるんでしょうか?

その最大の原因は、もしかすると「手首ジャーク」にあるかもしれません。

ジギングのジャーク(しゃくり)は、本来、背筋や下半身といった全身の大きな筋肉を使ってロッドを操作する運動です。

しかし、疲れてきたり、フォームが崩れたりすると、体幹を使わずに腕と手首のスナップだけでロッドを振ろうとしてしまいます。

この「手首ジャーク」を1日に何百回、何千回と繰り返せば、小さな関節である手首が悲鳴を上げるのは当然かもしれません。

手首を守るフォームのヒント

では、どうすれば手首に負担をかけないフォームになるんでしょうか。ポイントは「体幹とロッドの一体化」だと私は考えています。

  1. 脇を締める(体幹と腕を連動させる) ただ脇腹にくっつけるのではなく、「肩甲骨を意識的に下げる」感覚が重要みたいです 7。肩甲骨が下がると、自然と脇が締まり、体幹の力が腕に伝わりやすくなります。意識するのが難しい場合は、「手のひらを少し外に向ける」あるいは「小指側からスイングする」イメージを持つと、脇が締まりやすいそうですよ。
  2. グリップエンドを活用する(ロッドを固定する) オフショアジギングでは、ロッドのグリップエンドを脇に挟み込むのが基本です 8。こうすることでロッドが体と一体化し、手首を振らなくても、体の回転や膝の屈伸だけでジャークできるようになります。これにより、軽い力でシャクることができ、手首は「ロッドを握るだけ」の役割に集中できます。

スロージギング特有の痛み

ゆっくりとした誘いが特徴のスロージギングですが、これも手首への負担がゼロではありません。

スロージギングは、ロッドの反発力を利用してジグを横向きに飛ばす釣りです。

このロッドの反発(キックバック)を制御する際、特に手首の小指側(TFCC)に負担がかかる可能性があります。

リールを巻きながらロッドを操作する反復動作が、オーバーユースにつながるわけですね。

ハイピッチジャークのリスク

ハイピッチジャークは、その名の通り高速でロッドを操作し続けるため、手首への負担は想像に難くありません。

この高速かつ反復的な動作は、腱炎(腱の炎症)の典型的な原因となります。

また、アングラーの体力に見合わない「硬すぎるロッド」を使っている場合も要注意です。

ロッドがジグの抵抗や水の抵抗を吸収してくれず、その反動がすべて手首にダイレクトアタック! これでは、どんなに良いフォームを意識していても、手首を痛める原因になってしまいます。

ジギングで手首が痛い時の対策

原因がわかったら、次はどう対策するかですよね。

すぐにできる応急処置から、予防的なギアの見直し、セルフケアまで、私なりに集めた情報を紹介します。

痛みを我慢せず、適切に対処していきましょう。

サポーターによる手首の保護

サポーターによる手首の保護

出典[楽天]

痛みや違和感が出たら、まずは患部を保護し、それ以上負担をかけないことが重要です。そこで役立つのが手首サポーターです。

ただ、サポーターといっても種類は様々。

ジギングで使うことを考えると、いくつか選び方のポイントがありそうです。

ジギング用サポーター選びのヒント

  • タイプ: 指の動きを妨げず、ロッドのグリップ感を損ないにくい「リストバンド型」が良さそうです。腱鞘炎などで親指の固定が必要な場合は「指サポーター一体型」もあります。
  • 素材: スポーツ向けで耐久性のある「ナイロン・ポリエステル製」 11。あるいは、ジギングは水濡れが避けられないので、伸縮性・防水性のある「ネオプレーン製」もアリかもしれません。
  • 機能: 夏場や運動量が多い時は、蒸れにくい「通気性・吸汗速乾性」のある素材(メッシュなど)が快適ですね。

テーピングでの応急処置

サポーターが手元にない場合や、釣行中に急に痛み出した場合は、テーピングでの応急処置も有効です。

簡易的な方法としては、「手のひら側はテープを引っ張らずに貼り、手の甲側は(手首を固定したい角度で)少し引っ張って貼る」といった方法があるようです。

そして、怪我の応急処置の基本といえば「RICE(ライス)処置」です。これはジギングに限らず、あらゆるスポーツで役立つ知識なので、覚えておいて損はありません。

応急処置の基本「RICE処置」

RICEとは、4つの処置の頭文字をとったものです 15。

  • Rest (安静): まず休むこと。釣りを中断し、患部を動かさないようにします。
  • Icing (冷却): 冷やすこと。ビニール袋に入れた氷(表面を水で流したもの 16)をタオル越しに当て、炎症や腫れを抑えます。1回15分程度が目安です。
  • Compression (圧迫): 軽く圧迫すること。弾性包帯などで軽く圧迫し、内出血や腫れを抑えます。強く締めすぎないよう注意が必要です。
  • Elevation (挙上): 高く上げること。患部を心臓より高い位置に保ち、腫れを防ぎます。

温める? 冷やす? その判断基準

「痛い時は温めるのか冷やすのか」で迷うこと、ありますよね。これには明確な判断基準があるようです。

  • 冷やす (アイシング) 時: 釣行直後で、患部が熱を持っている、腫れている、ズキズキ痛む場合。これは「炎症」が起きているサインなので、冷やして炎症を抑えます。
  • 温める時: 腫れや熱感はなく、「動かすと痛い」「筋肉が凝り固まっている」ような慢性的な痛みの場合。この場合は血行不良が原因のことがあるので、お風呂などで温めて血流を良くするのが効果的です。

自己判断が難しい場合は、必ず専門医に相談してくださいね。

ギア(グローブとロッド)の見直し

痛みが出る前に、あるいは再発を防ぐために、手首への負担を減らす「ギア(道具)」の見直しも非常に重要です。

1. フィッシンググローブ

グローブは、防寒や日焼け止め、手の保護だけでなく、「疲労軽減」の大きな助けになります。

その最大の理由は、グリップ力の向上です。素手や滑るグローブだと、ロッドやハンドルノブを「無意識に強く握りしめて」しまいます。

この「過剰な握り込み」こそが、前腕の筋肉を疲れさせ、腱鞘炎などを引き起こす原因になります。

シマノの「オシア タフグローブ」やダイワの「オフショアレザーグローブ」のような、オフショアのパワーゲーム用に設計されたフルフィンガータイプは、保護力とグリップ力が高く、手首の負担軽減に効果的です 。

 

 

2. ロッド

先ほども触れましたが、硬すぎるロッドはジグの抵抗や反動がダイレクトに手首に来るため、痛みの原因になります。

もちろん、狙う魚や水深によって必要なパワーは変わりますが、自分の体力や筋力に合った、無理なく扱えるロッドを選ぶことが大切です。最近は、軽量で高感度、長時間の釣りでも疲れにくい設計のロッドも多いので、買い替えを検討するのも一つの手です。

3. リールとハンドルノブ

タックル全体の重量は、軽いほど手首への負担が減ります。シマノの「スフェロスSW」のような、剛性を保ちつつ軽量化されたリールを選ぶのも良いですね。

また、意外と見落としがちなのが「ハンドルノブ」です。

スタジオオーシャンマークのハンドルノブ(AE:卵型やAG:球形)は、「軽い力で驚くほどのグリップ力を確保する」超硬EVA素材や、「疲労感を軽減する凹凸のないプレーンな表面」を採用しているそうです。

これもグローブと同じで、「過剰な握り込み」を減らして疲労を軽減するという考え方ですね。ノブを交換するだけで、リーリングの負担がかなり変わるかもしれません。

電動ジギングで負担軽減

「フォームもギアも色々試したけど、やっぱり痛い…」あるいは「痛みが治るまで釣りを我慢できない!」という場合、「電動ジギング」は非常に強力な選択肢になります。

手首に最も負担のかかる「ジャーク」や「リーリング」といった動作の多くを、機械(モーター)が代行してくれます。近年はスロージギングの世界でも電動リールが注目されており、その最大のメリットは「長時間の釣行での疲労軽減」です。

もちろん、リール自体が重くなる、バッテリー管理が必要といったデメリットはありますが 、手首の痛み(例えば中程度のTFCC損傷など )と上手く付き合いながらジギングを続けていくための、合理的な解決策だと思います。

 

 

予防のストレッチと筋トレ

ジギングから帰宅した後、道具のメンテナンスはしても、ご自身の「体」のメンテナンスは忘れがちではありませんか? 手首の怪我を長期的に予防するためには、日頃のセルフケアが欠かせません。

ポイントは、使って硬くなった筋肉をほぐす「ストレッチ」と、負荷に耐えられる体を作る「筋トレ」の両方を行うことです。

予防ストレッチ(柔軟性の確保)

筋肉が硬くなってしまう前に、お風呂上がりなど体が温まった時に行うのが効果的です。

  • 前腕(手の甲側)のストレッチ: 腕を前に伸ばし、手のひらを下に向けます。反対の手で指先をつかみ、ゆっくり手前に引いて10〜15秒キープします。
  • 前腕(手のひら側)のストレッチ: 腕を前に伸ばし、今度は手のひらを上に向けます。反対の手で手のひらを掴み、ゆっくり手前に引いて10〜15秒キープします。
  • 指を反らすストレッチ: 手首を反らせた状態で、反対の手で各指をゆっくり手の甲の方向へ反らします。

予防筋トレ(負荷耐性の向上)

ジギングの負荷に負けない、安定した手首を作るためのトレーニングです。

  • グーパー運動: 肩の力を抜き、手首を無理のない範囲で動かしながら、単純に「グー」「パー」を繰り返します。血行促進にもなります。
  • 手の中の筋肉(内在筋)の強化: 「指の第一関節(先端)は伸ばしたまま」、指の付け根だけを曲げて「グー」をします。この状態で手首を手の甲側に伸ばし、強く握る練習をします。最初は指がつりそうになるかもしれませんが、手首の安定に効果的だそうです。

ジギングで手首が痛い時の総括

さて、ジギングで手首が痛い時の原因と対策について、色々と見てきました。

一番お伝えしたいのは、痛みや違和感を「軽く見ない」ということです 1。最初は小さな違和感でも、放置することで悪化し、日常生活や大好きな釣りができなくなってしまうのは、本当につらいことですから。

手首の痛みは、あなたの体からの「今のやり方、ちょっと無理があるよ」というサインだと思います。そのサインを受け取ったら、

  1. フォームの見直し(手首ジャークから体幹ジャークへ)
  2. ギアの見直し(負担を減らすグローブ、ロッド、ノブへ)
  3. セルフケアの習慣化(ストレッチと筋トレ)

この3点に取り組んでみてください。

そして、RICE処置などの応急処置をしても痛みや違和感が取れない場合 、症状が悪化する場合は、絶対に自己判断せず、速やかに整形外科などの医療機関を受診してください

適切な診断と治療を受け、手首を万全の状態にして、また一緒にエキサイティングなジギングを楽しみましょう!