落とし込みvsジギング どっちが釣れるか状況別に解説

 

こんにちは。ジギングナビ、運営者の「ジン」です。

船釣りの予約をしようとすると、「落とし込み」と「ジギング」のどちらのプランにするか迷うこと、ありますよね。

「落とし込みとジギングは、どっちが釣れるんだろう?」というのは、多くのアングラーが持つ素朴な疑問だと思います。

それぞれの違いがよく分からないと、どちらを選べばいいか迷いますよね。タックルやコストも違うようですし、初心者向けの難易度も気になるところです。

また、ジギングは疲れるというイメージがあったり、当日のベイトが釣れない状況でどうなるのか、気になりだすとキリがありません。

この記事では、そんな疑問をスッキリ解決するために、落とし込みとジギング、どっちが釣れるのかを、状況別、タックル、コストなど、あらゆる角度から比較してみたいと思います。

この記事のポイント

  • 落とし込みとジギングの根本的な釣れ方の違い
  • それぞれのタックルやコスト、難易度の比較
  • 「どっちが釣れるか」が決まる海の状況とは
  • ジギングタックル流用など、よくある疑問への回答

落とし込みとジギング、どっちが釣れるか徹底比較

まずは、落とし込みとジギングがそれぞれどんな釣りなのか、根本的な違いを見ていきましょう。

釣れる時期やターゲット、そして気になるタックルやコスト面も比較してみますね。

落とし込みとジギングの根本的な違い

この二つの釣り、似ているようで根本的なアプローチが全く違います

「落とし込み釣り」(タテ釣りやアンダーベイトとも呼ばれますね)は、海の中の食物連鎖をそのまま利用する釣りです。

まず、船長が魚群探知機でベイト(エサになる小魚)の群れを探します。

私たちはそこに専用のサビキ仕掛けを投入して、イワシや小アジといったベイトを針に掛けます。

そして、そのベイトが付いた仕掛けをそのまま海底付近まで落としていき、ベイトを食べに来るブリやヒラマサなどの大型魚を狙うわけです。

対する「ジギング」は、メタルジグという金属製のルアー(疑似餌)を使います。

落とし込みとジギングの根本的な違い

出典[楽天]

ベイトを探すのではなく、アングラー自身がロッドを操作(「しゃくる」とか「ジャークする」と言います)して、メタルジグに生命感を与えて魚を誘う釣りです。

魚の捕食本能やリアクションバイト(反射的な食い気)を引き出す、ゲーム性が高い釣りかなと思います。

釣りの仕組みの違い

  • 落とし込み: 「本物の生きたベイト」を釣って、それをエサに大物を釣る(エサ釣り)。
  • ジギング: 「疑似餌(メタルジグ)」を操って、魚に口を使わせる(ルアー釣り)。

つまり、落とし込みは「ベイトの群れ」がいないと成立しにくいですが、ジギングはベイトが散っていてもテクニックで魚を探し出せる可能性がある、という違いがありますね。

落とし込み釣りの時期とターゲット

落とし込み釣りは、ベイトの回遊に大きく左右されます。地域によってもベストシーズンが少し異なります。

一般的に、ベイトとなる小魚が豊富になる夏から秋、初冬にかけてがハイシーズンですね。

  • 九州(玄界灘など): 夏から初冬。特にベイトが大きくなる10月~12月が最盛期とされています。
  • 東海(伊勢湾など): 夏から秋(8月~11月頃)。
  • 関西(中紀など): 夏から秋(早いと6月頃から)。

ターゲットは、そのベイトを捕食する魚すべてが対象になります。

これが落とし込みの魅力的なところで、とにかく多彩です。

落とし込みの主なターゲット

  • 青物: ブリ(ワラサ)、ヒラマサ、カンパチ
  • 根魚: クエ(アラ)、マハタ、キジハタ(アコウ)などの高級魚
  • その他: マダイ、ヒラメなど

本物の生きたベイトを使うので、ジギングではなかなか口を使わないような高級根魚やヒラメがよく混ざるのも、嬉しいポイントだと思います。

ジギングで青物が釣れる時期

ジギングのメインターゲットは、やはりブリ、ヒラマサ、カンパチといった「青物」ですね。

青物ジギングで最高のシーズンと言われるのは、やっぱり「秋」かなと思います。

ベイトが豊富で、青物たちが冬に備えて活発にエサを追う時期。

数もサイズも一番期待できる季節ですね。

もちろん、他の季節が釣れないわけではありません。

夏も水温が高く、魚の活性が上がるのでジギングに適した季節です。

ヒラマサやカンパチ、カツオなどは夏がシーズンの海域も多いです。

ジギングの場合、落とし込みと違って「このベイトがいないとダメ」という依存度が低いので、一年を通してターゲットや釣り方を変えながら楽しめるのも特徴です。

冬は寒ブリ、春は産卵絡みのマダイや青物、といった感じです。

落とし込みタックルの特徴とコスト

落とし込みタックルの特徴とコスト

出典[楽天]

タックル(道具)には、それぞれの釣りに特化した大きな違いがあります。

落とし込みタックルは、「繊細さ」と「パワー」という相反する性能が求められます。

  • ロッド: ベイトの小さなアタリを弾かないしなやかな穂先と、10kg超の青物や根に突っ込むクエを受け止める強力なバット(胴)が必要です。長さは2.1m~2.4mとジギングより長めが主流ですね。
  • リール: これが最大の特徴ですが、ほぼ電動リールが必須です。水深100mを超える場所から、重いオモリ(80号~100号とか)とベイト数匹、さらに大物がかかった時の抵抗を手巻きで対応するのは、かなり大変ですからね…。シマノなら3000番、ダイワなら500番クラスの大型電動リールが基準になります。
  • ライン: PEラインの4号~6号と、かなり太めを使います。

コスト面の注意点

落とし込み釣りは、コスト面で少しハードルがあるかもしれません。

  1. 初期投資: 電動リールが必須なため、ジギング(手巻き)と比べて初期費用が高額になりがちです。
  2. ランニングコスト: 専用のサビキ仕掛けは、1セットあたり安くても600円~1,300円くらいします。これが根掛かりやオマツリ(他の人と仕掛けが絡むこと)で消耗品のように無くなることも…。なので、仕掛けは多めに準備する必要があります。

※費用はあくまで目安です。正確な情報は各メーカーや販売店でご確認ください。

ジギングタックルの特徴とコスト

ジギングタックルは、「ジグを意図した通りに動かす」ために設計されています。

  • ロッド: 落とし込みとは対照的に、長さ6ft(約1.8m)前後と短めが主流です。ジグをキビキビと動かすために、穂先(ティップ)に適度なハリがあります。
  • リール: 手巻きのリール(スピニングリールかベイトリール)が主流です。青物狙いだと、スピニングリール(シマノなら6000~8000番)がファイトしやすくて人気かなと思います。
  • ライン: PEラインの2.5号~4号あたりがよく使われますね。

コスト面ではどうでしょうか。

コスト面の比較

  • 初期投資: 手巻きリールで始められるため、落とし込みより初期投資は抑えやすいです。もちろん、ハイエンドなモデルを選べば高くなりますが、選択肢の幅が広いですね。
  • ランニングコスト: こちらは「メタルジグのロスト(紛失)」が主なコストです。ジグは1個あたり、安いものなら500円程度から、高いものだと2,500円以上します。根掛かり(海底に引っかかること)で失くしてしまうと、精神的にもお財布的にもダメージがあります…。

※費用はあくまで目安です。正確な情報は各メーカーや販売店でご確認ください。

ただ、根掛かりは「着底したらすぐ巻く」といった技術である程度は防げるので、落とし込みの仕掛け(消耗品)とは少し性質が違うかもしれません。

 

初心者向けの難易度はどっち?

初心者向けの難易度はどっち?

「初心者が始めるならどっち?」というのも、よくある疑問ですね。

これは、何を「難易度」と捉えるかで答えが変わってくるかなと思います。

「落とし込み」は、釣りの動作自体は難しくありません。

基本は「ベイトを掛けて、底まで落として、待つ」ですからね。

ベイトさえ付けることができれば、初心者でもいきなりブリやヒラマサといった大型魚に出会えるチャンスが非常に高い釣りです。
ただし、その「ベイトを付ける」のが最初の関門だったりします。

ベイトの活性と仕掛けを落とすスピードが合わないと、なかなか付いてくれないんです。

「ジギング」は、ジグをしゃくり続ける体力と、魚に口を使わせる「ジャーク」の技術が求められます。

始めたばかりの頃は、どう動かせば釣れるのか分からず、釣果に差が出てしまうことも…。

技術が釣果に直結しやすいゲーム性の高い釣りですね。

ジン的まとめ:初心者へのオススメ

  • 「大型魚を釣る体験」を最優先するなら: 良い日(ベイトが多い日)の落とし込み。運の要素もありますが、爆発力があります。
  • 「趣味」としてゼロから道具を揃えて始めるなら: ジギング。初期投資を抑えやすく、自分のテクニックを磨いていく楽しみがあります。

ただ、落とし込みは初期投資(電動リール)のハードルがちょっと高いのが、初心者の方にはネックになるかもしれません。

状況別!落とし込みとジギングはどっちが釣れる?

状況別!落とし込みとジギングはどっちが釣れる?

さて、ここからが本題です。

もし同じ船に落とし込みアングラーとジギングアングラーが乗っていたら、どんな状況でどっちが有利になるのか、具体的なシナリオで考えてみましょう。

同船者が語る!ベイトが濃い日の釣果

これは、私が以前に経験した(というか、目の当たりにした)話です。

和歌山の中紀エリアで、私(ジギング)と、落とし込みのアングラー2名が同じ船に乗ったことがありました。

その日はポイントに着くと、魚探には10cmくらいのイワシの反応がびっしり!落とし込みの2人には、仕掛けを落とすたびにベイトが掛かるような状況でした。

一方、私は「これはジグでもイケるだろう」と、ベイトサイズに合わせたジグをしゃくり続けたんですが…アタリが全くないんです。

潮もあまり動いておらず、大苦戦。

そして終了間際、落とし込みの同船者にブリがヒット!さらに、もう一人にもメジロ(ブリの若魚)がヒット!…結果、私だけボウズ(釣果ゼロ)で港に戻ることになりました。

この日の結論:
ベイトの反応が濃く、魚が「本物の生餌」を意識している状況では、落とし込みが圧勝します。

魚からすれば、目の前に「本物のイワシ(落とし込み)」と「金属片(ジグ)」が来たら、本物を選びますよね…。まさにそれを見せつけられた釣行でした。

ベイトが釣れない時の対処法

では、逆に「ベイトが釣れない」時はどうでしょうか。

落とし込み釣りは、ベイトを針に掛けることがスタートラインです。

もし船長が「反応はあるけど、なかなか食わないね…」という状況になったら、苦戦します。

ベイトが釣れない一番の原因は、「ベイトの活性と、仕掛けを落とす速度が合っていない」ことだと言われています。

ただ仕掛けを落とすだけでなく、サミング(リールのスプールを指で押さえてブレーキをかけること)などで、フォールスピードを調整する技術が必要なんです。

一方、ジギングはベイトの群れを直撃する必要がありません。

ベイトが広範囲に散っていたり、反応が薄かったりしても、ジグをキャストしたり、手返し良く探ったりすることで、広範囲にいる魚にアピールできます

こういう「ベイトの反応が薄い日」や「ベイトはいるけど食わない日」は、ジギングのほうが魚からの反応を得やすい、つまりジギングのほうが釣れる可能性が高いですね。

ジギングタックルで落とし込みは可能か

ジギングタックルで落とし込みは可能か

「落とし込みもやりたいけど、専用タックル(特に電動リール)を買うのは…」という方、多いと思います。

「手持ちのジギングタックルで代用できないの?」という疑問ですね。

結論から言うと、「条件付きで可能」というのが答えになります。

まず、ダメなパターンから。

  • スピニングタックルでの代用: これは難しいです。落とし込みはベイトを掛けるためにフォールスピードの調整がキモなんですが、スピニングリールはそれが苦手だからです。
  • 普通のジギングロッド(先調子): これも不向きです。ジグを動かすための硬い穂先が、ベイトの小さなアタリを全部弾いてしまって、ベイトが掛かりません。

では、どんなタックルなら流用しやすいかというと…

流用できるジギングタックル

  1. ロッド: 「スロージギング用」のロッド。スロージギングロッドは、元々フォールのアタリを取るために胴調子(スローテーパー)で柔らかめに作られているので、落とし込みの「ベイトを乗せる」特性に近いんです。
  2. リール: 「ベイトリール」であること。電動ジギングをされている方なら、リールはそのまま使えます。

一番のネックは「手巻きのベイトリール」を流用する場合です。

オモリが50号くらいまでの浅場で、ベイトも小さい…といった「ライトな落とし込み(タテ釣り)」なら、手巻きでもなんとかなるかもしれません。
でも、九州の玄界灘のように水深100m超、オモリ100号、ベイトが30cmのアジ数匹…なんて状況で10kgのブリが来たら、手巻きで巻き上げるのは相当大変だと思っておいた方がいいです。

 

ジギングは疲れる?しゃくりのコツ

ジギングと聞くと、「一日中ロッドをしゃくり続けて、体力的にキツそう…」というイメージ、ありますよね。

たしかに、ジギングは「動」の釣りなので、腕や肩が疲れるのは事実です。でも、「疲れる=釣れる」わけじゃないのが面白いところ。

実は、上手い人ほど力を使わずにしゃくっています

コツは、ロッド(竿)の「反発力」をうまく利用すること。力任せにロッドを振り回すのではなく、ロッドが曲がって元に戻ろうとする力を利用して、ジグを弾き飛ばすイメージです。

基本の「ワンピッチジャーク」(ロッドを1回しゃくる間にリールを1回転させる動作)も、リズムが大事。

例えば、「ハンドルが一番上に来たタイミングでしゃくり上げる」といったように、自分のリズムを見つけると、力を使わずにジグをきれいに動かせるようになってきますよ。

落とし込みで目が疲れる理由

ジギングが「腕や肩」なら、落とし込みは「目」が疲れます

これは、落とし込みが「静」の釣りだからですね。

仕掛けを落としたら、あとはひたすらロッドの穂先やライン(糸)を「凝視」し続けます。

なぜかというと、

  1. ベイトが針に付いた瞬間の「ブルブルッ」という小さな変化
  2. 大物が近づいてベイトが逃げ回る「前アタリ」という激しい揺れ

という、穂先に現れる非常に重要なサインを見逃さないためです。

一日中、水面や穂先に集中していると、だんだん目の焦点が合わなくなってくるような…。

ジギングとはまったく違うタイプの疲労感がありますね(笑)。

落とし込みとジギング、どっちが釣れるかの答え

さて、長々と比較してきましたが、結局のところ「落とし込みとジギングは、どっちが釣れる」のでしょうか。

私の結論は、「その日の海の状況とベイト次第で、釣果は劇的に変わる」です。

どちらか一方が常に優れている、ということはありません。完全に「使い分け」ですね。

【結論】どっちが釣れるかは「状況」で決まる!

  • 落とし込みが釣れる(圧勝する)日:
    ベイトの反応が濃く、魚が「生きたベイト」を活発に追いかけている時。本物のエサの力は、どんなルアーもかないません。
  • ジギングが釣れる(有利な)日:
    ベイトが広範囲に散っている時、または魚の活性が低く、ジグのアクションでリアクションバイトを誘う必要がある時。「ここに魚はいるはず…」という状況で、テクニックで口を使わせる釣りです。

もし可能なら、両方のタックル(あるいは、先ほど紹介したスロージギングタックルのような流用できるタックル)を持ち込んで、状況によって使い分けるのが最強のアングラーかなと思います。

まずは、ご自身の予算や釣りのスタイルに合わせて、どちらから挑戦してみるか決めるのが良いのではないでしょうか。