こんにちは。ジギングナビ、運営者の「ジン」です。
ジギング、特にオフショア(船)での釣りとなると、避けては通れないのがクーラーボックス選びの問題です。
「大は小を兼ねる」とは言いますが、車に乗らなかったり、重すぎて腰を痛めたりと、失敗談は枚挙にいとまがありません。
一方で、せっかく釣ったブリやヒラマサが入りきらず、無理やり曲げて鮮度を落としてしまうのは釣り人として一番避けたい事態ですよね。
今回は、そんなジギングアングラーの悩みを解決するために、私の実体験とリサーチに基づいた「本当に使える」クーラーボックスの選び方を徹底解説します。
この記事のポイント
- 青物やマグロを曲げずに収納するための内寸基準
- 真夏の船上でも氷を溶かさない真空パネルの実力
- 重いクーラーを一人で運搬するためのキャスター性能
- 失敗しないための具体的なおすすめモデルと活用術
ジギング用のクーラーボックスの選び方

ジギング船に持ち込むクーラーボックスは、キャンプ用や堤防釣り用とは求められるスペックが根本的に異なります。
過酷な塩害、直射日光、そして強烈な揺れ。
これらに耐えつつ、高級魚である青物の鮮度を完璧に守るためには、以下のポイントを必ずチェックする必要があります。
青物に最適なサイズや内寸
クーラーボックス選びで最も多くの人が失敗するのが「容量(リットル)」だけで判断してしまうことです。
ジギングのメインターゲットである青物は、体高こそありませんが「長さ」があります。
「容量」よりも「内寸」が正義
例えば、同じ50リットルの容量でも、正方形に近い形状と横長の形状では、入る魚のサイズが全く異なります。
80cmのブリを釣った時、内寸が70cmしかなければ、魚の首か尾を折って曲げるしかありません。
しかし、魚は死後硬直でカチカチに固まります。
曲がった状態で硬直すると、捌くのが大変なだけでなく、身割れを起こして食味がガクンと落ちてしまいます。
私が考える、ジギングにおける「サイズ選びの絶対基準」は以下の通りです。
【ターゲット別】推奨内寸と容量の目安
- ワラサ・サワラ・中型青物(〜70cm) 推奨内寸:60cm以上(容量40L〜50Lクラス) ※斜めにすればギリギリ入りますが、数釣りを想定するなら長手方向の余裕が必要です。
- ブリ・ヒラマサ・大型青物(80cm〜1m) 推奨内寸:80cm以上(容量60Lクラス) ※このクラスになると、一般的なキャンプ用クーラーでは対応できません。ダイワのトランクマスターやシマノのスペーザホエールといった「長尺モデル」が必須となります。
「対角線に入れれば入る」という考え方は、1匹だけの釣果なら通用します。
しかし、ジギングの醍醐味は群れに当たった時の爆発力です。
3本、4本と釣れた時、真っ直ぐ平積みにできるキャパシティがないと、せっかくの釣果をリリースすることになりかねません。
最強の保冷力を誇る真空パネル

夏のオフショアジギングは、クーラーボックスにとって最も過酷な環境です。
上からは太陽の直射日光、下からはエンジンの熱や高温になったデッキからの熱が伝わります。
ここで重要になるのが断熱材のグレードです。
断熱材の3つのグレード
クーラーボックスの保冷力は、壁の中に入っている断熱材で決まります。
- 発泡スチロール(スチロール):軽量で安価ですが、保冷力は最低限。真夏の船上では氷の消費が激しくなります。
- 発泡ウレタン:保冷力と強度のバランスが良い標準タイプ。クーラーボックスの隅々まで充填されているため、保冷力はスチロールの約1.5倍と言われます。
- 真空パネル:魔法瓶と同じ原理で、熱伝導率が極めて低い最強の断熱材。1面〜6面まで配置場所によってグレードが分かれます。
予算が許すなら、私は「真空パネル」搭載モデル(特に3面以上)を強くおすすめします。
特に遠征で「釣った魚を翌日の夜まで氷漬けにしておきたい」という場合、ウレタンモデルでは氷の追加が必要になることが多いですが、真空パネルなら初期の氷だけで持ちこたえることも可能です。
ただし、真空パネルは素材自体が重いため、クーラーボックス自体の重量が1kg〜2kgほど重くなる点は覚悟が必要です。
船上で座れる頑丈なボディ
ジギング船では、ポイント移動のたびにキャビン(船室)に入るのが面倒で、デッキで待機することがよくあります。
その際、クーラーボックスは最高のベンチになります。
しかし、安価なクーラーボックスや軽量化重視のモデルは、フタの強度が不足しており、「座らないでください」と注意書きがあるものも多いです。
体重70kg以上の大人がドカッと座り、船が波で跳ねた瞬間、フタがバキッと割れる…なんて事故は避けたいですよね。
「座れる」は公式スペックを確認
ダイワなら「マッスルボディ」、シマノなら「堅牢ボディ」といった表記があり、メーカー公式サイトで「座れる」と明言されているモデルを選びましょう。
これは単に座れるだけでなく、全体的な剛性が高いことを意味し、長期間使用しても変形による保冷力低下(フタの隙間など)が起きにくいというメリットもあります。
移動に便利なキャスター付き
60リットルのクーラーボックスに、氷を10kg、海水を少々、そして10kgのブリが2本入ったと想像してください。
総重量は軽く50kgを超えてきます。
これを駐車場から船着き場まで、あるいは自宅の玄関まで「手持ち」で運ぶのは、腰への自爆テロです。
ジギング用クーラーにはキャスター(コロコロ)が必須です。特に注目すべきは以下の2点です。
- キャスターの静音性:早朝や深夜に出発することが多い釣り人にとって、アスファルトで「ガラガラガラ!」と爆音を立てるプラスチックタイヤは近所迷惑極まりないです。静音仕様のラバー付きキャスターを選びましょう。
- ハンドルの位置と長さ:重いクーラーを引く際、ハンドルが短いとクーラーが足のかかとに当たって歩きにくいです。長めのサイドハンドルがあるモデルが快適です。
安くてコスパが高いモデル
「これからジギングを始めるけれど、いきなり5万円、6万円のクーラーは厳しい」という方も多いはずです。
そんな方には、伸和(SHINWA)の「ホリデーランドクーラー」シリーズが選択肢に入ります。
この製品の魅力は、圧倒的な「安さ」と「軽さ」です。76Lモデルでも実売1万円台で購入できることがあります。
ただし、断熱材は発泡スチロールであり、フタの強度も座れるほどではありません。
夏場は大量の氷を用意する、保冷カバーを掛ける、座らないように気をつけるといった運用面での工夫が必要になりますが、冬場の寒ブリ狙いなどシーズンを限定すれば、最強のコストパフォーマンスを発揮します。
ジギングにおすすめのクーラーボックス

それでは、具体的にどのモデルを選べば良いのか。
現場での使用率が高い人気モデルを中心に、その特徴と「買い」のポイントを解説していきます。
ダイワとシマノの性能比較
ジギング用大型クーラーボックスの市場は、事実上「ダイワ(DAIWA)」と「シマノ(SHIMANO)」の一騎打ち状態です。
どちらも甲乙つけがたいですが、設計思想に明確な違いがあります。
| 比較項目 | ダイワ トランクマスターHD II 6000 | シマノ スペーザ ホエール 650 |
|---|---|---|
| 内寸(長手) | 約85cm 細長い形状で、より長い魚に対応しやすい。 | 約80cm 幅広形状で、体高のある魚や重ね入れに強い。 |
| フタの開閉 | リフトアップオープン レバーを引くだけで開き、ワンタッチで閉まる。手返し抜群。 | 両開き・取り外し可能 左右どちらからも開き、完全に外せるので洗浄が楽。 |
| キャスター | 大型静音キャスター 静粛性が高くスムーズ。 | 堅牢キャスター 耐久性が高く、悪路に強い。 |
| 水抜き栓 | 大型水栓 握りやすく回しやすい。 | ワンアクション水栓 手を濡らさずに開閉可能。 |
(出典:ダイワ『トランクマスターHD II』製品ページ、シマノ『スペーザ ホエール』製品ページより筆者作成)
私が使ってみた感覚としては、「釣り場での手返しと長さを優先するならダイワ」、「メンテナンスのしやすさと堅牢性を優先するならシマノ」といった印象です。
特にシマノのフタが外せる機能は、釣行後の生臭いクーラーを風呂場で丸洗いする際に本当に重宝します。
マグロ狙いの大型サイズ
近年ブームとなっている「トンジギ(ビンチョウマグロジギング)」や、キハダマグロ狙いの場合、60リットルクラスでは全く足りません。
10kg、20kgのマグロは、まるで砲弾のような太さと長さがあります。
このクラスに対応するには、海外製の「イグロー(Igloo)」などの94qt〜100qt(約90〜100リットル)以上のクーラーが必要になります。
しかし、これらは非常に大きく、場所を取ります。
スマートな運用術:ソフトクーラーの活用
最近のトレンドは、メインの保冷用に60Lクラスのハードクーラーを持ち込み、万が一マグロが釣れた時のために「マグロ用ソフトクーラーバッグ(120cm〜150cmクラス)」を折りたたんで持参するスタイルです。
釣れたらハードクーラーの氷をソフトバッグに移し、そこにマグロを収納します。これならボウズだった時に巨大な空箱を運ぶ悲しみを味わわずに済みます。
車載する際の注意点と積み方
大型クーラーボックスを購入する前に、メジャーを持って駐車場に行ってください。
これが最も重要なアドバイスかもしれません。
例えば、ダイワのトランクマスターHD 6000の外寸は横幅が約102.5cmあります。
コンパクトカーや、ステーションワゴンでもホイールハウスの張り出しが大きい車種では、トランクに横向きに入らない可能性があります。
斜めに積むと他のタックルボックスが積めなくなったり、デッドスペースが生まれたりします。
また、積み込みの際は「腰」を守る工夫も必要です。満載のクーラーは成人男性一人では持ち上がりません。
バンパーに厚手の毛布を敷き、クーラーを立てかけてから滑らせるように押し込むか、必ず同船者と協力して「せーの」で持ち上げるようにしましょう。
※少し小さいサイズはこちら
魚の臭いの取り方と洗浄

ジギングで持ち帰ったクーラーボックスは、青物のヌメリや血、飛び散ったウロコでかなり汚れます。
放置すると強烈な生臭さが発生し、家族からクレームが来る原因になります。
通常の食器用洗剤で洗っても臭いが取れない場合は、以下の手順を試してみてください。
- お湯で洗う:魚の脂は冷水では固まって落ちにくいです。50度くらいのお湯を使うと効果的です。
- クエン酸を使う:魚の生臭さ(アミン臭)はアルカリ性です。酸性の「クエン酸スプレー」を吹きかけて少し放置してから洗うと、中和されて驚くほど臭いが消えます。
- パッキンを外す:フタのゴムパッキンの裏側に血水が入り込んでいることが多いです。ここを外して洗わないと、いつまでも臭いが取れません。
総括:ジギングに最適なクーラーボックス
たかが箱、されど箱。ジギングにおいてクーラーボックスは、あなたの釣果という「トロフィー」を最高の状態で保存するための金庫のような存在です。
安易にサイズを妥協して魚を曲げて持ち帰る悔しさは、一度味わうと本当に悲しいものです。
これから本格的に青物を狙うのであれば、内寸80cmクラスの60Lモデル、かつ真空パネル搭載機を手に入れることを強くおすすめします。
初期投資はかかりますが、その保冷力と耐久性は10年以上の長きにわたって、あなたの釣りライフを支えてくれるはずです。ぜひ、自分のスタイルと愛車にジャストフィットする最高の一台を見つけてくださいね。