こんにちは。ジギングナビ、運営者の「ジン」です。
今回は、ダイワのタイラバロッドの中でも一際異彩を放つ「紅牙 AIR C610MS TG」について、実際に購入を検討されている方に向けて詳しくお話しします。
スピニングタックルでありながら「TG(スリルゲーム)」の名を冠したこのロッド、一体どんな曲がりをするのか、キャスティングでの飛距離はどうなのか、気になっている方も多いはずです。
決して安い買い物ではないので、失敗したくないという気持ち、痛いほど分かります。
「柔らかすぎて使いにくいんじゃないか?」「本当に感度は良いの?」そんな疑問に対し、スペック表だけでは見えてこない、現場でのリアルな使用感や、ライバル機種との違いについて、私の経験を交えて本音で解説していきます。
この記事のポイント
- フルソリッド特有の驚異的な「曲がり」と、それがもたらすバラシ軽減効果
- スピニングならではのキャスティング性能と、実釣で扱いやすいルアーウェイト
- シマノ「炎月XR」などの競合モデルと比較した際の決定的な違い
- このロッドのポテンシャルを最大限に引き出すためのリールとライン設定
紅牙AIR C610MS TGのインプレと実釣性能

「C610MS TG」を手にして最初に感じるのは、その軽さと、振った時の独特な「しなり」です。
通常のキャスティングロッドのような「シャキッ」とした反発力とは違い、ロッド全体が鞭のようにしなやかに動く感覚。
これが、ダイワが提唱する「スリルゲーム」の真骨頂なんです。
まずは、このロッドが現場でどのようなパフォーマンスを発揮するのか、具体的な使用感を掘り下げていきます。
スリルゲーム特有の曲がりと粘り
このロッドの最大の魅力にして最大の特徴は、何と言っても「メガトップ スリルゲーム」ブランクスによるフルソリッドの曲がりです。
実際に魚が掛かると、ティップからベリー、そしてバッドまでが美しい弧を描いて継ぎ目を感じさせないほどスムーズに曲がり込みます。
初めて使うときは「これ、限界を超えて折れるんじゃないの?」と不安になるほど曲がりますが、そこからがこのロッドの凄いところです。
「HVFナノプラス」による高密度カーボンと、ネジレを防ぐ「X45」の恩恵で、曲がりきったところから強烈な粘り(復元力)が生まれるんです。
この「粘り」が、マダイ特有の首振りダンス(激しいヘッドシェイク)や、突発的な突っ込みをオートマチックにいなしてくれます。
ロッド全体がサスペンションの役割を果たすため、ラインテンションが常に一定に保たれやすく、フックアウト(バラシ)のリスクが激減するのは、アングラーにとって最大の安心材料ですね。
ここがポイント!
視覚的にも「満月」のように曲がるロッドを見ながらのファイトは、アドレナリンが出るほど楽しいです。
単に魚を釣るだけでなく、「曲げて獲る」というタイラバの新しい快感を味わえますよ。
キャスティングの飛距離と自重
自重はわずか105g。
これは競合するミドルハイクラスのロッドの中でもトップレベルの軽さです。
一日中キャストとリトリーブを繰り返すキャスティングタイラバにおいて、この軽さは疲労軽減という点で大きな武器になります。
気になるキャストフィールについては、少し慣れが必要です。
チューブラーロッドのように反発力で「パシッ」と弾くキャストをすると、ロッドが曲がりすぎてパワーが逃げてしまいます。
テイクバックでルアーの重みをロッド全体(ベリー付近)までしっかりと乗せ、ゆったりとしたフォームで「運ぶ」ようなイメージで振るのがコツです。こうすることで、ロッドの復元力が最大限に活かされ、驚くほどの飛距離が伸びます。
特に45g~60gのタングステンヘッドとの相性は抜群で、気持ちよく飛んでいきますよ。
バーチカルやドテラ流しの対応力

商品名には「C(キャスティング)」とありますが、このロッドはバーチカル(垂直)の釣りやドテラ流しでも非常に優秀です。むしろ、ここをメインで使っている人も多いくらいです。
水深50m以浅のシャローエリアでのバーチカルゲームでは、スピニングリールの優れたドラグ性能とロッドの柔軟性が相まって、細糸(PE0.6号以下)を使った繊細かつスリリングなゲーム展開が可能になります。
ベイトタックルでは味わえない、ドラグ音を響かせながらのやり取りは格別です。
ドテラ流しでの限界点
スペック上の推奨ジグ重量は「20-65g」とキャスティング前提の表記ですが、バーチカルやドテラ流しで落とすだけなら100g〜120g程度のヘッドも問題なく扱えます。
実際に私も100g前後を多用しますが、操作感は良好です。
ただし、水深が100mを超えたり、潮が激流で200gなどを背負わせたりする状況では、さすがにロッドが負けてしまい、巻き上げが重労働になります。
そういったシーンでは素直にベイトモデル(N69XHBなど)を選ぶのが無難です。
AGSガイドがもたらす感度
「柔らかいフルソリッドロッドは感度が悪い」というイメージを持っていませんか?実は私も最初はそう思っていました。
しかし、ダイワ独自のカーボンガイド「AGS(エアガイドシステム)」が良い仕事をしています。
チタンガイドよりも剛性が高いカーボンフレームが、ラインから伝わる振動を減衰させずに、金属的なシグナルとして手元へ伝えてくれます。
着底の「トンッ」という衝撃はもちろん、泥底か砂底かの質感の違いや、潮が重くなる変化(前アタリ)も敏感に察知できます。
特に、巻き抵抗の変化を感じ取る能力に長けています。
「あ、ここから潮が効いているな」というゾーンを、ティップの入り具合(目感度)と、リールシートから伝わる振動(手感度)の両方で得られるのは、攻略の大きなアドバンテージです。
適合リールとラインセッティング
このロッドの軽さと特性を100%引き出すなら、合わせるリールやラインシステムにもこだわりたいところです。
- リールサイズ: ロッドが軽いので、リールも軽量なモデルが合います。ダイワならLT3000またはLT3000-C番クラス(ルビアスやエアリティなど)がベストバランスです。
- ギア比: キャスティングでの糸ふけ回収や、ドテラ流しでの回収速度を考えると、XH(エクストラハイギア)かH(ハイギア)が推奨されます。パワー不足を心配されるかもしれませんが、ロッドが衝撃を吸収してくれるので、ハイギアでも安定した巻きが可能です。
- ライン: PE0.6号〜0.8号。飛距離重視なら0.6号一択です。
- リーダー: フロロカーボン3号(12lb)〜4号(16lb)。
ノット抜けとガイド干渉に注意!
AGSガイド、特にトップガイド周辺は小口径かつ多点配置になっています。太いリーダー(5号以上)や、結束部の大きなノットはキャスト時にガイドに干渉し、トラブルの原因になります。
FGノットなどの摩擦系ノットでコンパクトに結束し、リーダーの長さは長くても3m以内(できればタラシの中に収めてガイドに入れない)に設定することをおすすめします。
紅牙AIR C610MS TGのインプレや競合比較

ここからは、購入の際に必ずと言っていいほど比較検討されるライバル機種との違いや、実際に長期間使ってみて感じた「気になるところ」を包み隠さずお話しします。
ライバルのシマノ炎月XRとの違い
多くの方が迷うのが、シマノの「炎月 XR(特にC-S70M+)」ではないでしょうか。
価格帯も近く、どちらも高性能ですが、ロッドの性格は驚くほど異なります。私なりの使い分けの基準を整理しました。
| 比較項目 | 紅牙 AIR C610MS TG | シマノ 炎月 XR (C-S70M+) |
|---|---|---|
| ロッドの性格 | とにかく曲がる・粘る (完全な乗せ重視) | 張りがある・飛ばす (掛け・操作重視) |
| キャストフィール | 重量を乗せて運ぶ感覚 | 反発力で弾き飛ばす感覚 |
| ファイト感 | 魚の引きを吸収していなす バラシにくさ特化 | アングラーが主導権を握る レスポンスが良い |
| 自重 | 105g (超軽量) | 107g (軽量) |
結論として、「バラシを減らしたい」「魚とのやり取りでロッドを曲げる楽しさを味わいたい」なら紅牙AIRが間違いありません。
一方で、「積極的にアワセを入れたい」「キャスト時の爽快感や飛距離を最優先したい」なら炎月XRの方が幸せになれるでしょう。
デメリットや折れる不安の解消
正直にお伝えすると、完璧なロッドなど存在せず、デメリットもあります。
一つは「ガイド径の小ささによるゴミ詰まり」です。
春先の濁り潮や、海藻・クラゲが多く浮遊しているエリアでは、トップガイドにゴミが詰まりやすい傾向があります。
これは感度と引き換えの宿命なので、こまめなチェックが必要です。
もう一つは「冬場のソリッドの特性」。極寒期(気温0度付近)に長時間曲げた状態で保管したり負荷をかけ続けたりすると、一時的にティップに曲がり癖(メモリー)がつくことがあります。
温めれば戻りますが、保管時はテンションを抜くよう配慮が必要です。
また、よく聞かれる「細くてこんなに曲げて折れないの?」という不安についてですが、これは過度な心配無用です。ダ
イワのカーボン技術は本当に凄いです。通常の魚とのやり取りで折れることはまずありません。
ただし、「ラインがティップに絡んだ状態で無理に巻く」ことだけは厳禁です。
繊細なティップなので、そこだけは注意してくださいね。
フッキングが決まる乗せ調子

このロッドは典型的な「乗せ調子」です。
「コンッ!」というアタリに対して即座に「バシッ!」と合わせる釣りには向きません。
アワセを入れても、ロッドが柔軟すぎて衝撃を吸収してしまい、フックに力が伝わりにくいからです。
基本は「巻き合わせ」や「スイープフッキング」です。
アタリがあっても巻き速度を変えずに巻き続け、ロッド全体に魚の重みが完全に乗ってから、さらにロッドを横になぎ払うようにグーッと巻き込んで針掛かりさせるイメージです。
焦って早合わせさえしなければ、ロッドが勝手に仕事をして魚を連れてきてくれます。
このロッドがおすすめなユーザー
ここまでの話をまとめると、紅牙 AIR C610MS TGは以下のような方にドンピシャです。
- とにかく「バラシ」を減らしたい方(オートマチックに掛かり、いなしてくれます)
- 魚との「やり取り」そのものを楽しみたい方(ブチ曲げファイトは一度味わうと病みつきです)
- 1本でキャスティングもバーチカルもこなしたいミニマリストの方
- 軽いタックルで一日中快適に釣りをしたい方
紅牙AIR C610MS TGのインプレまとめ
今回は「紅牙 AIR C610MS TG」について、かなり突っ込んだインプレをお届けしました。
決して「誰にでもおすすめできる万能選手」ではありません。
硬いロッドでガツンと掛けるのが好きな人には物足りないでしょう。
しかし、「しなやかさ」と「粘り」で獲る現代のタイラバシーンにおいては、間違いなく強力な武器になります。
何より、あの満月のように曲がるロッドで大鯛を浮かせた時の感動は、他のロッドでは味わえない特別な体験です。もしあなたが「次の1本」に迷っているなら、思い切ってこの「スリルゲーム」の世界に飛び込んでみてはいかがでしょうか?きっと、釣りの楽しさが倍増するはずですよ。
今回の記事が、あなたのロッド選びの参考になれば嬉しいです。それでは、良い釣りを!